相談の多い病気

ページ一覧

【 クローン病 】と漢方薬による治療

一二三堂薬局とクローン病

当薬局では長年、さまざまなクローン病に有効な漢方薬の研究を重ねてまいりました。
その主な理由としてはクローン病に対して有効な西洋医学的治療法が確立されていないことが挙げられます。

その一方で下記でご紹介するような漢方薬はクローン病に対してとても有効であることを経験的にも実績面からも知っているからです。

このページではクローン病に対する漢方治療について解説させて頂きます。
当薬局の情報につきましてはページ上段のアイコン、または下記のリンクをご覧ください。

漢方相談の流れ…当薬局のご来局からアフターフォローについて

漢方薬の価格と種類…粉薬や煎じ薬の解説とそれぞれの価格について

アクセス…JR池袋駅から当薬局までの順路について

一二三堂薬局の漢方薬の安全性…漢方薬の残留農薬や放射性物質への対策について

お問い合わせフォーム…ご疑問などのお問い合わせはこちらへ




クローン病とは

クローン病(Crohn’s Disease)は口腔から肛門まで消化管のあらゆる場所に炎症が起こる炎症性腸疾患であり、 主な症状は出血を伴う下痢、腹痛、発熱、食欲不振、疲労感、体重減少、口内炎、痔などが挙げられます。 クローン病という病名のなかの「クローン」とは1932年に米国の医師であるクローンらによって報告されたことに由来します。 しばしば限局性腸炎、肉芽腫性回腸炎、回結腸炎などとも呼ばれますがクローン病という呼び名が一般的です。

同じ炎症性腸疾患ということで潰瘍性大腸炎と比較されますが、潰瘍性大腸炎はその患部が病名通り大腸に限定的である点が クローン病と大きく異なります。 さらにクローン病の症状は消化管だけではなく 腕や足の皮膚の炎症や膿の発生、関節炎、虹彩炎などが現れることも知られています。

現代日本においてクローン病の発症率は10万人当たりで約20人といわれていますが顕著な増加傾向にあります。 欧米諸国ではさらに日本よりも発症率が高く、約10倍の頻度といわれています。この点からクローン病の発症には欧米式の食習慣や環境が関与しているという説が挙げられています。

クローン病の発症年齢は男女ともに10~20歳代の若年者に多いという特徴もあります。 男女比も確認されており、その比率は2:1で男性がかかりやすい病気といえます。




クローン病の西洋医学的治療法

クローン病の原因は上記で挙げた食習慣、環境要因、さらに遺伝的要因、ウイルスや微生物などの病原体による感染、食物中の物質に対して起こる過剰な免疫反応など様々な説がありますが はっきりとわかってはいません。

したがって、西洋医学的治療法も対処療法に限られてしまいます。 そういったなかで主に使用されるのはステロイドなどの免疫抑制薬、抗炎症薬、下痢止め薬になります。


クローン病の漢方医学的解釈

漢方医学的にクローン病特有の下痢症状は単一の原因ではなく、いくつかの要因が複雑に絡み合って生み出されているものだと考えられます。 そのなかでも下痢を起こす根本的な病的状態が脾胃気虚です。 脾胃とは消化器機能全般を指しており、それら機能全般が弱まっている状態が脾胃気虚といえます。 食欲がない、食べると腹部が張る、軟便や下痢が何回も続くという症状は脾胃気虚の代表的な症状です。 まず、クローン病を患っている方の根本には脾胃気虚があると考えられます。

しかしながら、脾胃気虚には激しい炎症や腹痛は見られません。 これらの激しい症状は多くの場合、湿熱が関与していると考えます。 湿とは身体内において有効活用されない余分な水分のようなものであり、脾胃気虚などによって生み出されやすい病的物質です。 この湿が何らかの要因(湿の長期間の放置、暴飲暴食、ストレスなど)によって熱を帯びたものが湿熱です。

湿熱が引き起こす症状としては激しい下痢や腹痛、腹部の張り感、食欲不振、吐気、口の中の粘り、口の中の苦みや酸み、 身体の重だるさと疲労感などが挙げられます。 出血はしばしば熱が暴れることによって起こると考えるので、 湿熱における「熱」の性質が強く出ている場合に粘血便の症状が現れると考えられます。

したがって、基本的にクローン病の根本には脾胃気虚があり、さらに脾胃気虚などによって生み出された湿熱が クローン病特有の症状を起こしていると考えられます。

(より詳しい漢方用語はこちらをご参照ください)


漢方薬を用いたクローン病の治療

上記で説明したとおり、クローン病の根本には脾胃気虚があると考えられますが、特有の症状を起こしているのは湿熱でした。 したがって、漢方薬を用いた根治療法としては脾胃の気を補い、対処療法としては湿と熱を除去する必要があります。 実際に漢方薬を調合する場合にはこれら根治療法と対処療法を上手く組み合わせる必要があります。

基本的には症状が激しく出ている場合はそれらを抑えることに比率を置き、ある程度、症状が鎮まってきた段階で根治療法を開始するというのが「定石」です。 まず、根治療法の核になるのは脾胃気虚を解消するために気を補う生薬(補気薬)たちです。 具体的には人参、黄耆、大棗、白朮、甘草などが挙げられます。 これらは消化器のはたらきを立て直すはたらきに優れていますが、下痢症状が目立つ場合は湿の影響が強いと考えて水をさばく生薬(利水薬) である茯苓、猪苓、沢瀉、蒼朮などが追加されます。 その他に山薬、蓮肉、ヨクイニン、サンザシは止瀉作用が優れているのでクローン病にしばしば用いられます。

対処療法としてはクローン病特有の激しい症状を起こしていた熱を鎮める生薬(清熱薬)が用いられます。 主に黄連、黄ゴン、黄柏、山梔子などが中心となります。 これら清熱薬は湿を乾燥させるはたらきもあるので湿熱対策には一石二鳥です。

これら以外にも精神的ストレスが強い場合、それらが気の流れを滞らせることで脾胃を弱め、湿を生み出す原因にもなります。 適宜、気の流れを円滑にする生薬(理気薬)である柴胡、枳実、陳皮、半夏、厚朴、香附子などを検討する必要があります。 このようにクローン病に対する漢方薬は複数の要素をカバーしながら、ご症状の現れ方なども考慮に入れて構築してゆくことになります。


クローン病の改善例

患者は20代後半の男性・公務員(事務職)。 20代前半のときから口内炎が多くできるようになり、 最初の頃は食生活の乱れやビタミン不足かと考えてサプリメントを服用していましたが症状は鎮まらなかった。 それから順調だった便通が出血を伴う下痢や軟便となり、下腹部に刺し込むような痛みも起こるようになってしまったという。 とうとう仕事にも支障が出るようになり病院を受診してクローン病と診断された。 病院からは炎症を抑えるためにステロイド剤と免疫抑制剤が処方され、仕事などの日常生活はギリギリこなせるまでになっていた。

ご症状についてお話を伺うと、少しは軽減したものの下腹部痛、下痢、消化管からの出血が原因と考えられる貧血、 疲れやすさなどに悩まされているとのこと。 過労によって症状が悪化しやすいので繁忙期の年末になると仕事を休んでしまうこともあるという。 繁忙期での欠勤は同僚に大きな迷惑をかけてしまうので何とかしたいとおっしゃられていました。

この方の症状は特に下腹部痛、貧血、そして貧血に伴う疲労感が顕著なためそれらを同時に対応する方針を立てました 漢方薬の内容としては炎症を抑える生薬である黄連、黄ゴン、黄柏、山梔子、血を補う熟地黄、当帰、芍薬など から構成される漢方薬を服用して頂きました。 血を補う漢方薬は胃に負担をかけることもあるので、 食欲はあるということでしたが慎重に食後服用をお願いしました。

漢方薬を服用しはじめて4ヵ月くらいが経過したときには痛みも和らぎ、トイレに立つ回数も減少。 顔色も良くなってこられました。 しかし、仕事が繁忙期を迎えてストレスが多く食欲が落ちてきているということだったので漢方薬に変更を加えました。 具体的にはストレスを緩和し、さらに炎症を抑える働きもある柴胡、気を補う人参、黄耆、大棗などを中心とする漢方薬へチェンジ。 念のために、食欲が落ちているということで新しい漢方薬には血を補う生薬を除いたものにしました。

この漢方薬を初めて5ヵ月が経った頃には、腹痛や下痢だけではなく、疲労感もすっかり取れていました。繁忙期も含めて欠勤することも無くなりました。 心配していた貧血症状はまれに立ちくらみすることはあるけれども特に問題ないという。 これは気が身体内で血に生まれ変わったことで、血虚におちいらなかったと推察されます。 この方は現在、体力強化の意味も含めて漢方薬の服用を継続されています。


おわりに

クローン病の原因はまだはっきりとしませんがストレスの多い生活、高脂肪食、過剰なアルコールや香辛料、 食物繊維の不足などが症状を悪化させることも知られています。

当薬局へはこれら生活習慣の改善と漢方薬の服用によって状況が好転する方がとても多くいらっしゃることから、 クローン病と漢方薬とは「相性」が良いと実感しています。 是非一度、クローン病でお悩みの方は当薬局にご来局くださいませ。

このページの先頭へ